こんにちは、古田工務店です。

9月1日は防災の日。毎年この時期になると、非常持ち出し袋の中身を入れ替えたり、家族で集合場所を確認したり。そんなご家庭も多いかと思います。ただ今年は、少し違う気持ちでこの日を迎えた方もいるかもしれません。7月28日に起きた令和8年熊本地震では最大震度7を観測し、住宅の被害も各地に広がりました。

近年、自然災害と絡めてよく耳にするのが『在宅避難』という言葉。

「避難所の過密を避けたい」
「プライバシーを守りたい」
「留守にする自宅の防犯が気になる」
「ペットと離れたくない」
「そもそも避難所まで遠い」

理由はさまざまですが、自宅にとどまる道を選ぶ人は確実に増えています。

ただ、在宅避難には見落とされがちな弱点もあります。熊本では、市町村の拠点から避難所まで支援物資を届ける、いわゆる“ラストワンマイル”で目詰まりが起き、物資の管理や情報共有のあり方が課題になったといいます。避難所にいれば拾い上げてもらえるニーズも、自宅にいると見えにくくなりがちです。

参考:熊本地震 「ラストワンマイル」で支援物資が目詰まり 背景は/NHK

つまり在宅避難とは、しばらくのあいだ自宅の力だけで持ちこたえるということ。そう考えると、備えておくべきものが少し違って見えてきます。

大前提は、揺れたあとも住み続けられる家であること。『耐震等級3』は、消防署や警察署といった災害時の拠点と同じ水準です。倒れなかった家、ではなく、そのまま暮らせる家。在宅避難の話は、じつはここから始まります。

次に、家の中の安全。棚が倒れ、食器が飛び散った部屋では、たとえ建物が無事でも寝起きはできません。壁と一体になった造作収納なら、そもそも倒れる心配がなく、地震のあとの片づけもぐっと軽くなります。

そして、ローリングストックのための場所。ふだんから少し多めに買い、使った分だけ買い足していくこの方法は、置き場所が決まっていてこそ続きます。食品はキッチン横のパントリーに、防災グッズは玄関脇の土間収納に。赤ちゃんのミルクやおむつ、ペットのフードは、家族が集まるリビングの一角にまとめておくと、暗い中でも迷わず手が届きます。

最後に、ライフラインが止まったときのこと。太陽光発電と蓄電池があれば昼も夜も最低限の電気が確保でき、エコキュートの貯湯タンクにたまったお湯は生活用水として使えます。ガスが好きな方は、エネファームという選択肢も。

 

防災というと、どうしても“買い足すもの”の話になりがちです。だけど、備えのかなりの部分は、間取りを考えている今この段階で決まってしまいます。

大阪も、南海トラフ地震の想定からは逃れられない土地。『ちょうどいい暮らし』の“ちょうどいい”には、いざというときに家族を守りきれる、という意味も含まれています。防災の日の点検ついでに、いまのお住まいで何日過ごせそうか、家族で話してみてください。そこで出てきた不安は、そのまま次の家づくりの条件になります。